日記

志木ワグネルの定期演奏会

ベース2年の信濃です。

今回お伝えするのは、3月20日に開催された“志木ワグネル”の第5回定期演奏会についてです!

志木ワグネルとは、慶應大学の一貫校である慶應志木高校(埼玉県志木市)にある男声合唱団です。正式名は慶應義塾志木高等学校ワグネル・ソサィエティー男声合唱団。

わたしはOBとして演奏会のお手伝いをしましたが、ほかの団員の感想や写真もふまえて、演奏会のようすを紹介したいと思います。

川口リリア音楽ホール

会場の川口リリア音楽ホールは観客でいっぱい

始まりの塾歌につぐオープニングステージは、夏のコンクールの課題曲「松の針」と自由曲「日本が見えない」。
長い時間をかけて練習した二曲は特によくまとまっていて、切実に訴えかけてくる演奏でした。「松の針」における宮沢賢治が死に際の妹にすがりつくような詩のたたみかけと、「日本が見えない」の怒涛の足踏みと叫びの後の一瞬の静寂には息をのみました。

つづいて第1ステージは男声合唱とピアノのための「新しい歌」。

大学とおなじグレーのブレザーを脱いで、爽やかなワイシャツで登場したこのステージ。
一曲一曲のキャラクターを、団員たちが楽しみながら表現していました。個人的には4曲目「鎮魂歌へのリクエスト」でのピアニストの熱のこもった演奏に乗っかった盛り上がりが印象的でした。また5曲目「一詩人の最後の歌」は団員たちにも人気の曲のようで、ステージ裏でもその情熱が伝わってきました。

POPSステージ

目も耳も楽しいPOPSステージ

休憩をはさんだ第2ステージは「~ちょっと箸休め~ POPS ア・ラ・カルト」。

カラフルなTシャツやスーツに扮した団員達が、劇を通してトトロやマル・マル・モリ・モリ、水戸黄門にいたるPOPSの異種格闘技戦を繰り広げました。なかでも3年生によるDisney Medleyはとにかく上手!  観客からも超楽しかったという声があがりました。

第3ステージは男声合唱組曲「雨」。

大学ワグネルが次の六連単独ステージで歌う曲でもあり、わたしたち大学生はとくに楽しみにしていました。この曲集はかなり“大人”だと思いますが、学生指揮者の指揮にあわせて志木ワグネルならではの多田武彦の雨の世界を見せてくれました。4曲目「雨 雨」など特に難しい詩も見事に表現されていたと思います。みなさんおなじみの6曲目「雨」のソロもブラボー!!

総勢43名による圧巻のステージ

総勢43名による圧巻のステージ

最後の第4ステージは男声合唱組曲「青いメッセージ」。

背筋がぞっとして、激しい戦争そのもののような圧倒的な“蛙”の世界に、舞台袖からおもわず耳を澄ませてしまいました。“聴いて下さる方の心に何か届けることのできるうた”を目指している志木ワグネルの、あらゆる情熱が込められたステージだったのではないでしょうか。

キャプテンのあいさつ

全てのステージを終えてあいさつをするキャプテン

大学ワグネルの団員からは、“ちゃんと身体に支えられた深い声でありながら、つやつやして心に直接届く感じ”と言った感想も聞かれました。難曲ばかりのプログラムであってもしっかりと形になってわたしたち観客の心に届いたのは、音楽に対して素直で真摯な姿勢があったからでしょう。それはアンコールの「くちびるに歌を」によく表れていました。
前奏でとても温かい気持ちになり、クライマックスの“歌を”で感じたものは忘れられません。

演奏後のロビーにて

演奏後のロビーにて

もうすぐ大学ワグネルの練習が再開します。
六連で、彼らにいい歌を聴いてもらえるよう頑張ります!