「WAGNER FEST 2019 中止に関するメッセージ」
佐藤正浩
ここまで被害が大きくなるとは誰が想像したでしょう。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
また我々が2年の期間をかけて準備してきた WAGNER FEST も、本番の2日前になって中止せざるを得ない状況になるとは。しかし、これは誰にも防げなかった事。苦渋の決断でしたが、中止としたのは正しい判断だったと思います。
練習の際、「演奏というものは本番のステージ上で完成するもの」と発言したのを覚えていらっしゃるでしょうか。確かに本番のホールの響きや、お客様の反応、演奏者のコンディション、それぞれの要素がうまく作用した時に名演が産まれるんだと思います。しかし、「ステージ上で完成させる為に、準備をする事こそが大事」とも言いましたね。今回は外的要因の為にステージまで行くことが出来なかったけれど、練習はとても充実したものでした。毎回の練習が意味あるもので、我々の血となり肉となり、確実に進歩しているのを感じました。ですから本番まで行けなかったとしても、練習で皆と過ごした時間はかけがえのないものです。このコンサートを楽しみにチケットを購入されたお客様方、快く共演を引き受けて下さったOBオーケストラの皆様、ソロの藤谷さん、ピアノの前田さんには大変申し訳ない事になりましたが、また新たな企画の際には御協力願えればと思います。
この企画を提案したのは私ですが、主役は私ではありません。『ワグネル・ソサィエティー男声合唱団』の名を冠した3団体皆さんが主役です。これからもワグネルの益々の発展のため、皆で知恵を出し合い、素晴らしい音楽活動を続けて行きましょう。最後に、このコンサートの為に御尽力頂いた全ての方々に感謝申し上げます。
※中止に際し今回の出演者に向けて出されたメッセージですが、先生のお許しを得てこちらに掲載させていただきました。