先日の定期演奏会を終えて卒団いたしました、2016年度責任者の飯泉暁斗です。
去る12月18日、東京芸術劇場コンサートホールにて、私ども慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の第141回定期演奏会を無事盛会のうちに終えることができましたことをご報告させていただきます。今回の演奏会においてお世話になった先生方、OBのみなさま、他大学のみなさま、その他関係者のみなさま、そしてご来場くださり温かい拍手を送っていただいたみなさまに、まずは御礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
今回の定期演奏会には71名の団員が出演いたしました。昨年の定演では15年ぶりに60名を超え、今年はさらに増えることができ、まさにワグネルはクレッシェンド、といったところでしょうか。
また今回の演奏会には1,657名ものお客様にご来場いただきました。1階の最前列から3階の後方までびっしりと埋まった客席を見て、最初の塾歌から団員全員の気持ちが入った演奏となりました。ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。集客も昨年に引き続き増加しており、今後ますます多くの皆様に聴いていただくことができるだろうと期待が高まります。来年からはOBの1人として、ワグネルの成長を見守っていきたいと思います。
第1ステージは、佐藤正浩先生の指揮と前田勝則先生の伴奏で、A.ドヴォルザーク作曲の『ジプシーの歌』を演奏いたしました。この曲は東西四連、東日本合唱祭と、演奏する機会に多く恵まれました。本番を重ねるたびに新たな挑戦をしながら、より良いものを作ろうと練習してきました。来年度のOB四連でも慶應が演奏するように、古き良きワグネルのレパートリーを佐藤先生ならではの表現で演奏できたと思います。
第2ステージは学生指揮者、野口遼太の指揮で、千原英喜作曲の『ある真夜中に』を演奏しました。永澤先生に伴奏をしていただき、学生の力を合わせて作り上げていきました。辻先生にもご指導いただき、男子大学生だからこそ歌える表現ができたのではないかと思います。この1年日本語曲を歌う機会が少なかった私どもも、野口くんらしい選曲と指揮で、言葉が自然と入ってくるステージにできたのではないでしょうか。
第3ステージは、指揮を雨森文也先生、伴奏を松本望先生と平林知子先生のお2人にお願いし、『二つの祈りの音楽』の男声版委嘱初演をいたしました。昨年の六大学合唱連盟第64回定期演奏会において『遊星ひとつ』をご指導いただきました雨森先生に、また今年もご指導いただきました。今年の5月にCANTUS ANIMAEの皆さんによって混声版が初演されてすぐ、同じ先生方と一緒に男声版を初演できたことは、私どもの誇りであります。宗左近による重厚な詩に取り組むことは、とても難しいことではありながら貴重な経験になりました。先生方の音楽に対する深い理解と情熱に引っ張っていただき、全身全霊をかけてぶつかった成果が本番の演奏では発揮できたと思います。
第4ステージはオペラ『真珠採り』の男声合唱編曲を指揮佐藤正浩先生、伴奏前田勝則先生で演奏いたしました。伝説として語り継がれている第99回定演で、当時の学生指揮者の秦実さんが編曲をし、学生のみで演奏したこの曲を、今回佐藤先生にご指導いただきながら、学生ソリストで演奏いたしました。演出を当時のテノールソリストの鵜山仁先生にお願いし、海をイメージした青のシャツでワグネルなりにオペラを表現しました。佐藤先生のご指導でフランス語オペラを演奏できたことは、今後のワグネルにとっても大きな意味を持つのではないでしょうか。このステージは演奏会後も多くのご好評をいただきました。河野くん、茂木くん、ブラボー。
そして、ステージストームでは毎年恒例のカレッジソングを演奏しました。『若き血』に続き、『我ぞ覇者』では「早稲田を倒せ」に合わせて会場の皆様から大変多くの拍手をいただき、団員一同感激しております。最後の『丘の上』では涙のあまり歌えない4年生も。 終演後はバタバタとしておりあまり見ておりませんが、後輩たちも中々に泣いていたそうな。DVDで確認します。
この1年間責任者を務めてまいりましたが、お世話になった方々への感謝の気持ちで胸がいっぱいです。決してワグネル以外では経験できない、貴重な体験ばかりさせていただきました。本当にありがとうございました。これからもワグネルは「クレッシェンド」で進んでまいりますので、今後とも温かく見守っていただけますようよろしくお願い申し上げます。