今回の日記は、先日の定期演奏会を終えて卒団いたしました、2015年度責任者山田祐慈が書かせていただきます。

はじめに、去る12月13日、東京芸術劇場コンサートホールにて、我々慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第140回定期演奏会を無事盛会のうちに終えることができましたことをご報告させていただきます。今回の演奏会においてお世話になった先生方、OBのみなさま、他大学のみなさま、その他関係者のみなさま、そしてご来場くださり温かい拍手を送っていただいたみなさまにこの場をお借りして御礼申し上 げます。誠にありがとうございました。

今回の定期演奏会では総計65名の団員が出演いたしました。60名を超えたのは実に15年ぶりとのこと。ワグネルの仲間が増えてきたことはうれしい限りですが、これに満足せず、より大きな団体になれるようこれからも取り組んでまいります。

また、今回の定期演奏会は正指揮者の佐藤正浩先生にご指導いただいて20年の記念すべき演奏会でもございました。終演後のレセプションにて、現役、OB、関係者の方々と共に20周年をお祝いさせていただきました。佐藤先生、今後とも私たちワグネルを厳しく、そして優しくご指導くださると幸いです。後輩を何卒よろしくお願い致します。

いざ本番、ステージへ入場して客席を見渡してみますと、満席に見えるほどのお客様で埋め尽くされていました。実際には1，626名ものお客様にご来場いただきました。これほど多くの方々に私たちの演奏を聴いていただけることは何事にも代えがたい喜びです。ありがとうございました。来年はOBの1人として客席から応援したいと思います！

団員の緊張の面持ち

第1ステージは、佐藤正浩先生の指揮でプーランク作曲の『アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り』、サン・サーンス作曲の『サルタレッル』を演奏いたしました。この曲は東西四連、福島の演奏旅行と演奏する機会に多く恵まれました。本番を重ねるたびに新たな課題に取り組み、「よりよいものを」と練習してきました。昨年度もプーランクの作品を演奏いたしましたが、これまでのワグネルにない佐藤先生ならではの新たなレパートリーになればと期待しております。

第2ステージは、学生指揮者、豊福裕亮の指揮で、現代の宗教曲を4曲演奏しました。佐藤先生、辻先生、小貫先生、前田先生、永澤先生とワグネルの先生方に様々な角度からアドバイスをいただきながら取り組んできました。4曲中にはポップな曲調なものもあり、お客様に書いていただいたアンケート見てもこのステージが印象に残った方は多かったようです。この1年間学生指揮者として団を引っ張ってきた豊福君の集大成ともいうべきステージとすることができたのではないでしょうか。豊福君、お疲れ様。

第3ステージは、指揮辻博之先生、伴奏永澤友衣先生、『碧い星のうた』。昨年の第139回定期演奏会においてミュージカルステージを編曲していただいた牧戸太郎先生に今度は作曲をしていただき、さらに弦楽四重奏も加えてお届けいたしました。ほとんどが歌詞のない曲であるなかでどのように表現し、伝えていくかに苦労しながら練習してきました。照明やろうそくを用いた演出もつけ、視覚的にもおもしろいステージを目指しましたがお客様にはどのように映ったのでしょうか。4曲目『鳥の歌』はカタルーニャの民謡であり、鳥のさえずりが「peace」と聞こえることから平和を祈るクリスマスキャロルとして知られています。アンコールで演奏いたしました『O Holy

Night』も含め、一足早いクリスマスを感じていただけていたら幸いです。

第3ステージの演出

第4ステージは新実徳英作曲『祈りの虹』を指揮佐藤正浩先生、伴奏前田勝則先生で演奏いたしました。はじめて佐藤先生がワグネルの定期演奏会で指揮されたのが第120回定期演奏会。ちょうどその演奏会では前任の畑中先生がこの『祈りの虹』を振られていました。戦後50年にあたり、あの悲劇を忘れてはならないという思いで、原爆の投下された広島を描いたこの作品を取り上げられたのだろうと思います。それから20年。時代は変わっても畑中先生の思いは佐藤先生に受け継がれ、団員へと伝えられていきます。限られた時間でのこの難曲に取り組み、団員もかなり苦労しましたが、本番では気持ちのこもった演奏ができたと感じております。

そして、ステージストームでは毎年恒例のカレッジソングを演奏しました。『丘の上』では涙のあまり歌えない4年生も。（かくいう私もですが…）4年生のみんな、卒団おめでとう！後輩のみんな、これからは君たちが新しいワグネルの歴史を作り上げていってください！

卒業する筆者

この1年間責任者を務めてまいりましたが、お世話になった方々への感謝の気持ちで胸がいっぱいです。決してワグネル以外では経験できない、貴重な体験ばかりさせていただきました。本当にありがとうございました。これからもワグネルは「クレッシェンド」で進んでまいりますので、今後とも温かく見守っていただけますようよろしくお願い申し上げます。

ご静聴ありがとうございました！