こんにちは、2年学生指揮者の山田 涼平です。
来る10月12日、私たちは恵明学園を訪れました。かなり大きいと言われていた台風19号の接近があり、山の上にある恵明学園への訪問は危ぶまれていました。しかし幸い天は僕たちに微笑み、当日は快晴。訪問を決行することができました。
到着すると、すぐに子供達に手を引かれ、ボール遊びを始めました。リハーサルが始まるまでの短い時間でしたが、笑顔に溢れたひと時でした。筆者は少しバスケットボールをした後、リハーサルの打ち合わせをするために中に入ってしまいましたが、みんな普段使わない体を動かし、子供達にいじめられていたようです。走り回って体調が悪くなったワグネリアンもいたようですが、しっかりして欲しいですね!
さて、そんなこんなで演奏が始まります。
最初は女声のステージ。合唱のパートの紹介から始まり、女声ならではの美しいハーモニーに、子供たちはもちろんのこと、筆者もうっとりと聴き惚れてしまいました。曲目も子供に人気のディズニーの曲など、素晴らしいステージでした。
次は男声のステージ。女声の素晴らしい演奏を聴いた後で私たちが演奏をするのは荷が重く感じましたが、やるしかありません。筆者による司会と共に行われた最初の曲は、多田武彦作曲の柳河風俗詩より「梅雨の晴れ間」です。まさに台風の合間に訪れた快晴の当日にぴったりな曲です。2曲目は、絢香・コブクロによる「WINDING ROAD」の男声合唱バージョンです。ピアノ伴奏は一年生学生指揮者の平田亮くんが弾いてくれました。恵明学園の子供たちに対して歌う歌としては歌詞に込められたメッセージがかなり身につまされるものでしたが、演奏者もオーディエンスも一体になった演奏ができたと思います。そして、終演後にはありがたいことにまさかのアンコールの声が。ここで何かやらないわけにはいきません。ワグネリアン御用達の「Ride the Chariot」を演奏しました。突然ながらソリストを務めてくれた戸島君と河野君には、あらためてお礼を言いたいと思います。
次のステージはオーケストラのステージです。アイネ・クライネ・ナハトムジークなどの有名な曲を、参加しているほとんどのメンバーが1、2年生とは信じられないような高い練度で演奏してくれました。また、ラデツキー行進曲の指揮を振ってみるという、子供たちも参加できる企画をしていました。突然ものすごく遅くなったり早くなったりする子供達の指揮に寸分違わずついていくオケの皆さんには脱帽でした。指揮者である田中さんの素晴らしい指導と、司会の津田さんによって、笑いの絶えない、素晴らしい演奏となっていました。そして最後に、オーケストラ・女声・男声が合同で、となりのトトロの曲をいくつか演奏しました。オケや女声の皆さんの助けもあり、なんとか良い演奏をできたと思います。
そして少しの休憩を挟み、子供たちからのお礼演奏となります。低学年、高学年で別々の出し物をしてくれました。元気いっぱいの演奏で、子供達の純真な心を垣間見ることができ、薄汚れた世界に生きている自分たちの心の汚さを密かに恥じました。この日のために何日もかけて練習をしてくれた子供達のがんばりを思うと、目頭が熱くなる思いです。
演奏が終わると、早速子供たち私たちは最後の遊びに興じます。演奏を終え、音楽の力によってさらに心を通わせた私たちは、午前よりもいっぱいの笑顔で触れ合いました。暗く寒くなっても、子供達の元気はそのままです。私たちも心から楽しむことができました。しかし現実は残酷なもので、着実に帰らなければいけない時間が近づいて来ました。最後にみんなで集まり、若き血の合唱をします。私たちは皆どこか寂しい顔をしていました。
恵明学園への訪問は今年で60周年を迎えるという、ワグネルの伝統行事の一つです。そんな行事の記念となるべき年度の指揮者をするというのは、光栄でありながら身に余る責任を伴っていました。しかし、渉外の八島君をはじめ、女声合唱団やオーケストラの皆様に助けられて、なんとか終えることができました。
今回の恵明学園訪問にご協力くださった皆様、素晴らしい機会を与えてくださった恵明学園の皆様、そして素晴らしい笑顔をくれた子供たちに、心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。