こんにちは、149代ドイツ担当の張元俊佑です。世間がパリで開かれている五輪に熱中している中、私たちも8月9日から8月20日までの12日間、隣国のドイツへと遠征に行ってまいりました。
このドイツ遠征は、ドイツ・オクセンハウゼンで開催される「オクセンハウゼン国際ユース合唱祭(C.H.O.I.R.)」に参加するもので、世界中の若手合唱団のメンバーと寝食を共にしながら練習を重ね、最終的に巡業で演奏会を行うイベントです。私たちはこのイベントに日本代表として参加しました。この行事はコロナで中断していましたが昨年より再開され、例年ワグネルから希望者が参加する恒例行事となっています。
12日間のプログラムでは、7日間が練習に充てられ、中日を挟んで残りの4日間で巡業が行われました。多くの団員にとって慣れない海外での生活や英語でのコミュニケーションでしたが、毎晩開かれるパーティーなどを通じて他の地域の参加者と積極的に交流し、楽しく過ごすことができました。
今年はTuttiと呼ばれる全体合唱でブラームス作曲の「ドイツ・レクイエム」を歌いました。この楽曲は聖書の詩をベースにしているものの宗教歌ではなく、美しいピアノの音色とともに、ブラームスの人間観を描いた作品です。言葉や文化の異なる11地域から集まった197人で一つの作品を完成させるのは困難に思えましたが、皆が音楽への情熱を共有しており、練習は非常に楽しくスムーズに進みました。
また選抜メンバーで構成されたChamber Choirでは、現代音楽の可能性を探るため、ポーランド、台湾、デンマークの現代作曲家による作品を演奏しました。この演奏会を通じて、音楽の伝統と新しさが感じられるプログラムになったのではないかと思います。
演奏会には各都市で多くのお客様が足を運んでくださり、終演後には大きな拍手をいただいただけでなく、直接温かいお言葉を頂戴することが多く、大きな達成感を感じるとともに、音楽の力を改めて実感しました。
もちろん私たちは日本代表として参加しているため、メインのプログラムとは別に行われたSerenadeという演奏会では、「斎太郎節」「我が抒情詩」「八木節」の3曲を披露し、合唱を通じて伝統と前進を調和させた日本の魅力をお客様に伝えることができました。また他の地域の参加者に自国を紹介するイベントでは、日本を感じてもらえるようにラーメンや日本酒、駄菓子を振る舞い大好評を得ました。
海外の素晴らしい演奏に触れ大きな刺激を受けるとともに、教会での歌唱や海外で多くのお客様の前で歌う貴重な経験を糧に、私たちは9月末の早慶四連演奏会、そして12月の第149回定期演奏会に向けてさらにギアを上げていきます。今後ともワグネル・ソサィエティー男声合唱団への応援とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。