日記

1回早慶四団体連合演奏会

149代学生指揮者の千葉洸之介です。秋気爽やかな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

9月30日月曜日に、大田区民ホール・アプリコ 大ホールにて第1回早慶四団体連合演奏会を開催いたしました。本演奏会は弊団の盟友たる早稲田大学グリークラブのみならず、兄弟団体である慶應ワグネル女声、そして近年躍進を続ける早稲田大学女声合唱団の3団体と手を組み、大学合唱の新たな輝きを模索する場として企画されました。東京六連、東西四連、そして一昨年に開催された早慶交歓とも異なる新しい試みです。先輩方が受け継がれてきた伝統の中に、今回新たな1ページを刻ませていただけたこと、大変光栄に思います。

第1ステージは早稲田大学女声合唱団(愛称:わせ女)の単独ステージで、信長貴富作曲の『フォルテは歩む』、続けて三宅悠太作曲の「子守唄〜立原道造の詩による小さなレクイエム〜」を演奏されました。同月に開催された東京都合唱コンクール・大学ユースの部では2年連続となる金賞を受賞されたとのこと。早稲グリOBの山脇卓也先生の指揮で演奏された無伴奏作品は、華々しくも繊細に、そして柔らかくホールを包み込みました。

第2ステージは慶應義塾ワグネル・ソサィエティー女声合唱団(愛称:モル)の単独ステージで、千原英喜作曲の『良寛相聞』を演奏されました。同期の学生指揮者である田中琴乃の指揮で演奏され、重厚なハーモニーが千原作品独特の奥行きを鮮明に映し出しており、兄弟団体ながら嫉妬してしまうような名演でした。12月22日には定期演奏会にて再演されるとのこと。私も一観客として、再度演奏を聴くことが楽しみでなりません。

第3ステージでは、私たちワグネル男声の単独で、松本望作曲の『天使のいる構図』を、学生指揮者である私の指揮で演奏いたしました。ピアニストには私たっての希望で、とりわけ一昨年、昨年とお世話になっている永澤友衣先生をお迎えし、美しく可憐なピアノを弾いていただきました。ドイツ遠征明けから演奏会当日に至るまで短く密な練習期間となりましたが、団員は真摯に音楽に向き合い、より良いものを創ろうと共に奮闘してくれました。

第4ステージは早稲田大学グリークラブ(愛称:早稲グリ)の単独ステージで、千原英喜作曲の『明日へ続く道』を演奏されました。こちらも同期学生指揮者である井上拓海の指揮で演奏されましたが、「不屈の応援歌」たる本組曲の持つ世界観とメッセージを存分に引き出しておりました。井上君は本曲を通貫するテーマである「鈴蘭の花」へのイメージを膨らませようと北海道まで出向いたそうで、その姿勢からも、そして演奏からも多く勉強させていただきました。

第5ステージでは、日本の音楽シーンを牽引する相澤直人先生・京増修史先生を客演にお迎えし、2大学4団体の合同で混声合唱不屈の名作『風に寄せて』(尾形敏幸作曲)を演奏いたしました。相澤先生は多彩な語彙と滑らかでいて洗練された指揮捌きで、総勢150名にも上る大所帯の同声合唱人を巧みにまとめ上げてくれました。ここまで真剣に混声合唱に取り組んだのは初めて!という団員も多く、楽しくも発奮させられ、刺激を多分に受ける舞台となりました。終演後は観客の皆様方より、本ステージの好評を多くいただくことができました。

このあとステージストームに移り、わせ女は『The Typewriter』、モルは『Sing』を、ワグネル男声は『Soon Ah Will Be Done 』、最後に早稲グリが恒例の『斎太郎節』を歌い上げ、大きな拍手に包まれながら幕を閉じました。

本演奏会がきっかけとなり、今後合唱界が更に盛り上がっていくことを祈念してやみません。ご尽力をいただきました先生方、OBの皆様、関係者の皆様、そしてご来場いただきました全ての皆様に、改めて御礼申し上げます。